本塁打を打ったはいいが、前の走者を追い抜いたときはどうなるのか?

1957年、大映対南海戦、一死走者一・二塁で南海の穴吹選手は本塁打した。ところが一塁走者を追い越してしまった。

公認野球規則7.08の走者アウトの(h)に「後位の走者がアウトになっていない前位の走者に先んじた場合。(後位の走者がアウトとなる)」。この規則が適用されて穴吹選手はアウトになった。

この場合に本塁打は認められない。ただし、走者は得点を記録され、穴吹選手は2打点付のシングル安打となる。これが最初の日本プロ野球史上走者追い越しの幻本塁打である。

さて、これは一死であったが、もし、二死だったら得点と打点は記録されるのだろうか? 

ここで4.09の「得点の記録」が出番だ。「アウトになった走者より前位の走者でも第三アウトが成立するまでに本塁を踏まなければ得点は認められない」。

穴吹選手が一塁走者を抜いてアウトになる前に二塁走者が本塁を踏んでいなければ得点は認められなくなるのだ。

幻の本塁打どころでなく、スリーアウト。走者は得点なし、打者は打点なし。

一死か二死かで記録は全く違うのだ。打点なしの本塁打はあるのだ。