振らなくても振り逃げはあるのか?

明治16年6月に出版された東京大学予備門のお雇い外国人教師F・W・ストレンジ『OUTDOOR GAMES』のベースボールのルールについて書かれているなかで、現在のルールに通じる箇所があった。

打者が走者となる場合の定義は、「審判が3ストライクを宣告した直後」。現在の野球公認規則では「捕手が第3ストライクと宣告された投球を捕えらなかった場合」となる。「宣告した直後」が「投球を捕えらなかった場合」と変わった。ただし、現在は「捕えらなかった場合」でも、2つの条件が附帯されている。「(1)走者が一塁にいないとき、(2)走者が一塁にいても2アウトのとき」と。

そして、『OUTDOOR GAMES』の走者アウトの定義は、「3ストライク……の後、1塁に達する前に野手の捕球したボールでタッチされた場合」。現在は、打者になった走者が1塁に達する前にボールでタッチされる。あるいは一塁に送球されて封殺になる。

さて、ここでタイトルの振ってなくても振り逃げはあるのか?

打者が走者となるのは「投球を捕えらなかった場合」。だから打者が見逃しで3ストライクを宣告された。でも、捕手がその投球を後逸するなど完全捕球しなかった。そしたら打者は走者になるのだ。

従って、バットを振ってなくても振り逃げはあるということなのだ。

というわけで、今回もだからどうなの話し。

(野球殿堂博物館掲載の『OUTDOOR GAMES』日本語訳を参考にしました)。