ボールから目を離すな。これ審判員の第一原則。観客、選手も同じ。なのに、この原則を守らない昨今

今夜は“ボールから目を離すなについて”の「だからどうなの話し」。

1962年(昭和37年)10月6日、西鉄の田辺選手は試合前に伊藤選手のフリーバッティングの打球を左コメカミに受けた。精密検査の結果左側頭骨骨折のほか、せき髄液に出血があった。

主治医は「命に別条はないが、全治まで何日くらいかかるかわからない」と診断した。

それから2年後の1964年(昭和39年)、西鉄球団は、田辺選手に対し頭部負傷の後遺症のため当時の統一契約書の傷害補償の最高額200万円を払って自由契約にした(当時の教員初任給16,300円、王選手の年俸1,000万円)。

200万円を受取った奥さんは「これからどうやっていくか途方に暮れています。二人でやっていける仕事を見つけてがんばっていきます」と語っていた。

2013年7月11日、大谷翔平選手が試合前練習中に外野をランニングしていたところ、フリーバッティングの打球を右のこめかみ付近に受けた。幸い、田辺選手のような選手生命を失うことはなかった。

私は、年間60試合以上球場に行くが、最近、観客がボールから目を離して歩いているケースを見かけることが多い。

「ボールから目を離すな。目を離すときはホーム・ベースを掃くときだけ。ただし、このときもボールが当たっても一番ケガが少ないお尻をボールの方向に向けること」。

これは審判員のボールから目を離すなの第一条である。

選手、観客も同じだ。ボールから目を離すな。ボールは凶器である。特に飛ぶボールになってから反発力が増し、球速が早くなったから大けがになりやすい……。

というわけで、今夜もだからどうなの話し。