“打った瞬間本塁打”は球場のすべてを停止させる美なのだ

今夜は“打った瞬間本塁打”についての「だからどうなの話し」。

“打った瞬間本塁打”とわかる打球がある。神宮球場なら外野中段席以上に飛びこむ飛球だ。

打球が飛べば野手はそれを追う動きをする。だが、“打った瞬間本塁打”の魅力は野手が飛球を追わず動かない。投手と野手は茫然と飛球を見送る。

その瞬間、球場の時間は停止するのだ。これが打った瞬間本塁打の特徴で魅力なのだ。

2015年6月28日ヤクルト対読売戦で山田哲人二塁手が無死走者一塁の場面で左翼中段席に“打った瞬間本塁打”した。このとき読売高橋由伸左翼手は左翼フェンスに向かってこの飛球を追った。

「おいおい高橋選手よ。何年プロ野球で飯を食っているのだよ。“打った瞬間本塁打”を追うなよ」とつぶやいた。

“打った瞬間本塁打”は球場の時間が停止し野手が静止する。その一瞬が美しいのだ。なのに打球を追うなど、この美しさを壊す行為だ。

2015年7月1日ヤクルト対阪神戦一死走者一塁の場面で山田哲人二塁手のフルスイングした打球は左翼席中段へ飛び込んだ。

このときに阪神マートン左翼手は一歩も動かず、打球が頭上を越えるのを静止して見ていた。

「これこそ“打った瞬間本塁打”を賞賛する行為だ」と、マートンに密かに敬意を表した。

かつてヤクルトのペタジーニ選手が中日戦で右翼最上段席に“打った瞬間本塁打”した。そのときに福留右翼手がその瞬間に腕を組んで打球を見なかった。あの福留選手は美しかった。

さて、ここから審判員の動きについて勝手な一言。

6月28日の山田哲人二塁手の左翼中段の“打った瞬間本塁打”をジャッジしたのは三塁塁審。やっぱ打球を追ってレフト方向に動いていた。

7月1日左翼中段席の“打った瞬間本塁打”をジャッジしたのも三塁塁審。やっぱ回転して目線をレフト方向に向け打球を追っていた。

仕事柄打球を追ってジャッジしなければならないが、やっぱ“打った瞬間本塁打”はその瞬間その場で、一歩も動かず手を回してほしいな。まあ、一観客の勝手なたわごとであることは確かだが……。

何度も言うが“打った瞬間本塁打”は球場のすべてが一瞬停止する美しい瞬間なのだ。

というわけで、今夜もだからどうなの話し。