一死走者一・二塁の場合に誰が中堅飛球を判定するか?
グランドには選手、コーチ以外に審判員がいる。
選手はプレイする人、審判員はそのプレイを見届け判定する人。
セーフ・アウト、フェアー・ファールを見届けないでプレイは先に進まない。
だから、選手もコーチもどの審判員がどのように判定するのかわからずにいたらミスをしてしまうことがあるのだ。2018年5月29日ヤクルト対ロッテ戦(神宮球場)、得点1-5の9回裏ヤクルトは一死走者一・二塁とロッテ内投手を攻めた。
ヤクルトの打者荒木は0b-1sの2球目を中堅に直飛を放った。ロッテ荻野は前進し直飛捕球を試みた。
二塁走者山田は二三塁間で一塁側に背を向けて荻野が直捕球したかを、同じく一塁走者青木は一二塁間の右斜めで直捕球したかを見届けようとした。
山田は直捕球と判定し二塁に帰塁、一方青木はショーバン捕球と判定し二塁に向かった。
結果は、荻野中堅手はショーバン捕球だったから三塁に送球し二塁に帰塁していた山田を封殺、山田が二塁に帰塁していたので一塁に帰塁した青木は二塁で封殺。中堅ゴロの併殺となった。
さて、中堅直飛を見届け判定する審判員は誰で、どう判定するのか?
一死走者一・二塁の場合は一塁塁審が中堅方向に走って中堅飛球を判定する。
二塁塁審は二塁走者と一塁走者のリタッチを見届け、判定する。
山田は一塁塁審に背を向けている (レフト方向に体の正面を向けている)から一塁塁審を見ていない。
この場合に山田は中堅飛球を誰が判定するかを知らなかったようだ。
知っていたら一塁側に体の正面を向けて左手斜め側で中堅飛球を見届けはずだ。
そうすれば直捕球かショーバンかの判定を一塁塁審を視界内において見届け、判定できた。
このプレイのミスは山田が中堅飛球の判定審判員が一塁塁審と知らなかったこと。
三塁にむかう場合に判定を確認するにはどちら方向に体を向けて走るかを練習していなかったこと。
これが山田のミスを生んだのだ。
一塁側定席最上段席で見ていた私はこれぞ何年もプレイする選手、打球方向、審判員の動きのコラボレーションを見てきた成果として、やっぱ野球は現場で見なければと感激した一夜だったが……。
とは云え、ヤクルトファンの私はこのプレイを見て、審判員を見ていない山田にガッカリし、初めての中堅ゴロ併殺の試合終了を見て、帰宅に向かう千駄ヶ谷駅まで腹が立ってしょうがなかったのも事実だった。