サヨナラ場面の塁打の記録の決定条件は?     

2025年4月20日、ヤクルト対読売戦、得点2対2同点の10回裏、ヤクルトは二死二・三塁のサヨナラチャンスを迎えた。打者伊藤選手は1ボール後の2球目を打つと打球は左翼手の頭上を超えフェンスに当たりサヨナラ安打となった。

いつもサヨナラ場面になると走者はどの塁にいて、打者走者はどの塁までに進むかを注視している。伊藤選手の打球はフェンスに当たり若林左翼手はジャンプして倒れ込んだ。サヨナラ場面ではなかったら伊藤選手は十分に二塁ベースに到達できる。

ところで、サヨナラになると単打or二塁打以上の長打になるかを決めるルールがある。

野球規則 9.06 単打・長打の決定だ。「安打を単打と記録するか、二塁打、三塁打または本塁打と記録するかは、次によって決定する。最終回に安打を放って勝ち越し点をあげた場合、打者には勝ち越し点をあげた走者がその安打で進んだ塁と同じ数だけの塁打しか記録されない。しかもその数だけの塁を触れることが必要である。」

伊藤選手は二塁に到達できる打球を放ったが、三塁に走者がいたために単打と記録されてしまう。伊藤選手はサヨナラ打を二塁ベース前で確認し同僚選手の歓喜のウォーターシャーワーを浴びたが、もし二塁ベースに到達していても単打としか記録されないのだ。

球場でサヨナラ場面を迎えた場合に走者はどの塁にいて、打者はどの塁まで進んだかを冷静にみる気持ちが必要だと思って場面を注視している。