キャッチボールは父と心を結ぶコミュニケーション

映画『フィールド・オブ・ドリームス』

「それを作れば、彼がやって来る」。私が一番大好きな野球映画『フィールド・オブ・ドリームス』のキーワードだ。主人公はこの声を天から聞き、トウモロコシ畑を野球グランドにしてしまう。そして「彼がやって来る」。1919年のワールドシリーズで八百長プレイをしたと無実の罪(ブラックソックス事件)で球界を永久追放され、失意のうちに生涯を終えたジョー・ジャクソンだった。

このグランドにはその後、多くの、今は亡くなった選手が降りてきて、試合を行う。最後にやって来たのは、元マイナーリーグの選手だった父。主人公は大学生の頃に父に反発し、折り合いが悪く、今はそのことが心の痛みとして残っていた。降りてきた父は、彼が生まれる前の若い希望に満ちた選手の姿だった。

「それを作れば、彼がやって来る」。彼とは主人公の心の痛みの元だった父だったのだ。二人はキャッチボールをして和解する。父とキャッチボールをする。私も父に買ってもらったグラブをしてキャッチボールをした。そして、後楽園球場、神宮球場に連れてもらった。そういう父とのつながりを思い出させて、泣けてくる映画だった。私にとってキャッチボールと野球観戦は父と息子の心のコミュニケーションなのだ。