初回二死六番打者が満塁本塁打のみで勝利

スコアを記録しながら現場で野球を見ていて、何がうれしいかというとプロ野球史上の記録に出会えることだ。

2020年8月9日ヤクルト対横浜戦初回一番打者梶谷選手は中堅飛球で一死、二番打者神里選手は三遊間を抜く左前ゴロ安打、三番打者ロペスは中堅直飛安打で一死一・二塁、四番佐野選手は右飛球で二死、五番宮崎選手は四球で満塁となる。

 

初回二死満塁の場面は六番打者にとって見せ所。現場で私はドキドキ。ここで満塁本塁打がでたら珍しい記録となる。

密かにヤクルトファンである私は六番打者倉本選手が満塁本塁打を放ったら、いや放って欲しいと願っていた。

そして、ボールカウント3-2ストライクからの6球目を倉本選手が右中間スタンドに本塁打した(打たれた投手は山中浩史)

 

初回二死六番打者が満塁本塁打のみ4得点で勝利するとなるとこの記録は過去に2度しかない。

あとは横浜の投手陣にがんばって完封をと願っていた。ヤクルトファンとしては何ともジグたる思いであった。そのとおりの結果として横浜が4-0で勝利。ついに大記録に出会ってしまった喜びでいっぱいだったが……。

 

球場でこんなことを喜んでいても誰にも話せる人がいないのが記録オタク根暗の現実

 

では、過去の2度の記録は

①1964年7月15日大洋対国鉄戦で大洋は初回に六番打者の黒木選手が初球を二死満塁から満塁本塁打を放った。大洋は2回以降を無得点に抑えて4―0で大洋が勝利(打たれた投手は渋谷誠司)

 

②2001年6月29日ダイエー対ロッテ戦でダイエーは初回に六番打者の城島選手が初球を二死満塁から満塁本塁打を放った。ダイエーは2回以降を無得点に抑えて4―0でダイエーが勝利(打たれた投手は小野晋吾)

 

因みに2020年8月9日ヤクルト対横浜戦の球審山口義治、一塁塁審深谷篤、二塁塁審山路哲生、三塁塁審笠原昌春

1964年7月15日大洋対国鉄戦の球審田代照勝、一塁塁審富澤宏哉、二塁塁審円城寺満、三塁塁審大里晴信、左翼線審川野一夫、右翼線審柏木敏夫。

2001年6月29日ダイエー対ロッテ戦球審東利夫、一塁塁審山村達也、二塁塁審林忠良、三塁塁審飯塚富司。