結局、小津映画のテーマは人は「ひとりぼっち」

今日も、原節子と小津安二郎監督のことを書きます。

映画『秋刀魚の味』より

娘を嫁がせた父親に掛けられたことば

「今日はどちらのお帰り? お葬式ですか?」

父親「ウーン ま そんなもんだよ」


自宅に帰った父親が一人になってつぶやく言葉

父親「ウーン……ひとりぼっちか」


映画『麥秋』より

女学生時代に仲良かったけど、結婚した同窓生が集まりを欠席。

すっぽかされた独身の二人のセリフ

「学生時分はあんなに仲が良かったのに、みんなだんだん遠くなっちゃうのねえ」

「仕様ないのよ……。そういうもんらしいわ…… いやぁねえ……」


一人娘が嫁ぐ前の両親の言葉

「うちも今一番いいときかもしれないね、これで紀子でも嫁にいけば、また、さびしくなるし……」


一人娘が嫁ぐことになったときの両親の言葉

「いつまでもみんなでこうしていられりゃいいんだけど……。そうもいかんしね……。いつかはこうなるんだよ……」

「みんなはなればなれになっちゃう……」

小津安二郎の映画は、結局人は「ひとりぼっち」を描いたんだ。

原節子が亡くなって、いま、しみじみそう思う。

写真は小津安二郎監督:Wikipedia:ウィキペディア画像より