新人選手で1試合に3場外本塁打を放った選手は誰だ?

1958年(昭和33年)から2015年(平成27年)までの日本野球機構の公式スコアシートを野球殿堂博物館で閲覧できようになった。

そこで、プロ野球史上たったひとりの「Only Play」選手、初めての「First Play」を見つけて、そのプレイの内容をスコアシートで読み解いた報告をする。

今回はプロ野球新人で「1試合に場外本塁打を3打席連続」に放った選手を取り上げる。1958年6月22日大洋対読売10回戦(川崎球場)でその記録をマークした。

3回表の第2打席大洋権藤正利投手から二死走者一・二塁で左翼場外に3点本塁打。

6回表第3打席大石正彦投手から二死走者二・三塁で同じく左翼場外に3点本塁打。

8回表第4打席宮本和佳投手から走者なしで3打席連続3本目の左翼場外本塁打。

因みにこの本塁打を判定した左翼審判員は円城寺満。

では第1打席を場外本塁打していたら4打席4打数場外4本塁打という誰もできそうにない記録をマークするになったが……。

1回表3番打者として第1打席に立ってボールカウント2-1からの4球目を三遊間抜くゴロ安打で出塁。なんと4番打者の4球目後にこの選手はスルスルと二塁に向かって走る。

気が付いた権藤正利投手は児玉利一一塁手に送球、二塁に向かう走者を挟殺するために芝野忠男遊撃手に送球してアウトにする。

いかにもらしいプレイのこの選手は長嶋茂雄。このアウトを判定したのは国友正一審判員。

さて野球殿堂博物館でプロ入り60周年記念で長嶋茂雄展をしている。ぜひ見てもらいたい。

なかでもバットを持たずに打席に立って敬遠四球されている長嶋茂雄選手の写真を見るだけでも価値があると思うのだが。