野球選手は事業税を払わない

第2条 (目的) 選手がプロフェッショナル野球選手として特殊技能による稼働を球団のために行なうことを、本契約の目的として球団は契約を申し込み、選手はこの申し込みを承諾する。

第3条 (参稼報酬) 球団は選手にたいし、選手の2月1日から11月30日までの間の稼働にたいする参加報酬として金・・・・・・円(消費税及び地方消費税・・・・・・円を含む)を次の方法で支払う。

 

野球を好きな税理士雑談をした。その時に、野球選手は個人事業主で事業税を払っているのかが話題になった。

『事業税とは、事業を行っていることにかかる税金で、事業を行う場合、公共施設を利用するなど、公共サービスの恩恵を受けている、そのための費用の一部分を、事業者が負担するという目的で徴収される』。

 

事業税を徴収するか都税事務所に電話したところ、『野球選手は事業税を払わなくて良いのです』と回答を頂いた。

野球協約で定義されている球団に参加し得られる『参加報酬』は税制では事業ではないということだ。 野球選手は時速150㎞のボールを投げる技術、バットを一閃し100m以上ボールを飛ばす技術で参加報酬を得ているのだが、この技術を観客の前で披露するために公共のサービスの恩恵を受けてないと解釈されているのだ。

 

そこで、ドラフト指名された場合の契約金とは、球団が野球選手の特殊技術を活用することで得られかもしれない収益に対する報酬ではなく、人間そのものを球団が所有する商品として確保することに対する報酬であるのではないかと思った。

 

野球選手は特殊技術を披露して事業を行う存在ではなく、球団が所有する商品なのである。だから、事業税を払わなくて良いのだ。