同点満塁本塁打とサヨナラ本塁打で8点差を逆転

1958年(昭和33年)から2015年(平成27年)までの日本野球機構の公式スコアシートを野球殿堂博物館で閲覧できるようになった。

そこで、プロ野球史上たったひとりの「Only One」選手と初記録の「First Play」選手を見つけ、そのプレイの内容をスコアシートで読み解いた報告をする。

 

2018年4月18日西武対日本ハム5回戦(メットライフ球場)で西武は8回表まで0-8とリードされていたが、8回裏7点とって1点差に追いついた。そして、9回裏無死満塁から森友哉がボールカウント1b-0sの2球目からライトへの逆転サヨナラ二塁打を放って西武は9-8でサヨナラ勝利をした。

8回まで8点差で9回に逆転勝利をした試合はプロ野球初とのこと。そんなわけで8点差、しかも8回までリードされていて9対8で勝利した試合はないかをスコアシートで探したら、あった、あったのだ。

今日はその試合内容を報告する。

 

1991年中日対読売10回戦(ナゴヤ球場)で逆転劇は起こった。読売は7回表まで8点をリードしていた。7回裏中日は4番落合博満が本塁打し得点1-8となった。

そして中日は8回裏に8番長谷部裕が中堅安打で出塁する。

9番代打南牟礼豊蔵への初球の空振がワイルドピッチとなって長谷部選手は二塁に進塁。南牟礼選手は右翼飛球で一死となる。

1番立浪和義は四球で一死走者一・二塁となる。

2番山口幸司はボ-ルカウント2b-2sからの6球目を右翼安打して一死満塁となる。

3番ライアルは初球を中堅安打し三塁走者長谷部選手、二塁走者立浪選手が本塁生還し得点3-8、一死走者一・二塁となる。

ここで読売は槙原寛己投手から木田優夫投手に交代するが、4番落合博満は四球で満塁となる。

5番川又米利も四球で三塁走者山口選手が本塁生還し得点4-8で依然として満塁が続く。

読売は投手を水野雄仁に交代するが中日は代打で中村武志を送り出す。

中村選手はボールカウント2b-2sからの5球目を左翼観客席に8-8同点となる満塁本塁打する。

そして10回裏中村選手は再びボールカウント1b-1sからの3球目を同じく左翼観客席にサヨナラ本塁打して得点9-8と逆転決着する。

中村選手は1試合で満塁本塁打とサヨナラ本塁打したたったひとりの記録を刻んだ。

因みに両チーム合計17得点を確認した球審は岡田功審判員。